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倉庫屋根修理の全工程と業者選定の基準【災害リスク軽減のために】
2025年08月08日(金)
倉庫の屋根は製品や資材を守る大切な防御壁です。しかし年月とともにボルトや金属板が錆び、台風や豪雨により剥がれや穴あきが進むと、雨漏りで大切な荷物が濡れてしまいます。
倉庫オーナーにとって、「どのような工事を選べば良いのか」「費用感はどの程度か」「信頼できる業者の選び方は?」という疑問は尽きません。
屋根の修理方法には屋根塗装、カバー工法、葺き替えの3種類があり、工事規模や費用、工期、メリットが大きく異なります。また工事前には点検や見積もり、近隣への挨拶、足場設置、洗浄、補修、塗装という工程が必要で、どの工程も省けません。
本記事では倉庫屋根の修理を初めて検討する方に向け、全工程の流れと工事方法別の特徴・費用、適切な業者選定のポイントをわかりやすく解説します。
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倉庫屋根修理の基本手順と注意点
倉庫の屋根修理は、見積もりや契約といった事前準備から、足場設置・洗浄・補修、そして塗装やカバー工法、葺き替えなどの施工工程まで、複数の段階を経て進みます。どの工程も安全性や耐久性に直結するため、省略や簡略化は避けるべきです。
特に倉庫は住宅と異なり、屋根面積が広く高所作業も多いため、法令遵守や安全管理体制の整った業者を選ぶことが重要です。ここでは、修理を進めるうえでの全体の流れと注意点を解説します。
訪問調査から契約までの流れ
屋根修理はまず業者への問い合わせから始まります。専門業者に電話やWEBで相談すると、無料で現地調査の日程を調整してくれるのが一般的です。現地ではドローンや高所カメラで屋根全体を撮影し、破損箇所や劣化状況を細かく確認します。
調査後には複数パターンの見積もりを提示してもらい、工法や費用、保証内容を比較検討しましょう。工事内容やスケジュールに納得したら契約を締結します。契約後は近隣住民へ挨拶を行い、騒音や塗料の飛散について説明することがマナーです。
足場設置・洗浄・下地補修
工事が始まると、まず安全確保のための足場と養生シートを設置します。屋根作業では足場が必須であり、法定安全基準に従って設置します。次に高圧洗浄で屋根の汚れやカビを徹底的に落とします。
洗浄後はサビた釘やボルト、割れたスレートなどを補修し、隙間にコーキングを充填します。スレート屋根の場合はタスペーサーを挿入して水はけを確保することも重要です。
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塗装・カバー・葺き替えの施工工程
倉庫屋根の施工方法は、屋根塗装・カバー工法・葺き替えの3種類があり、それぞれに適した状況や特徴があります。どの方法を選ぶかによって費用や工期、耐用年数が大きく変わるため、事前に違いを理解しておくことが大切です。
工法の選定は屋根材の種類や劣化度合い、倉庫の稼働状況を踏まえて行いましょう。ここでは各工法の概要と施工の流れを説明します。
屋根塗装
屋根塗装は、比較的軽度な劣化に対応できる方法です。錆や小さな亀裂を補修したうえで塗料を重ね塗りすることで、美観を回復しつつ防水性・遮熱性を高めます。
- □施工手順
- 高圧洗浄で既存の汚れや旧塗膜を除去
- サビ部分をケレン処理(サンダーやワイヤーブラシで研磨)
- 下塗り(プライマー)で密着性を確保
- 遮熱・防錆機能を持つ塗料で中塗り・上塗り(計3層)
- ◇メリット
- 工期が短い(1〜2週間程度)
- コストが安い(5,000〜8,000円/㎡)
- 遮熱塗料を使えば夏場の空調費削減効果も期待できる
- ◆デメリット・注意点
- 耐久年数は塗料による(5〜15年程度)
- 下地が劣化している場合は効果が限定的
- 定期的な再塗装が必要
塗装は「表面的な劣化補修」には有効ですが、下地が傷んでいる倉庫屋根では根本解決にならないケースがある点に注意が必要です。
カバー工法
カバー工法は、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を重ね張りする工事方法です。
耐用年数や断熱・遮熱性能を高めつつ、工場や倉庫の稼働を止めずに施工できるのが大きな強みです。
- □施工手順
- 既存屋根の点検・部分補修
- 既存屋根の上に防水シート(ルーフィング)を敷設
- 金属屋根材(ガルバリウム鋼板など)を取り付け
- 棟板金・ケラバなどの役物を固定
- ◇メリット
- 稼働を止めず施工できる(工期2〜3週間程度)
- 断熱・遮熱性能が向上、作業環境改善にも効果的
- アスベスト屋根でも撤去不要で工事可能
- ◆デメリット・注意点
- 既存屋根の上に重ねるため、建物の耐震性に影響する場合がある
- 下地の腐食が進んでいると採用できない
- 費用は塗装より高め(8,000〜10,000円/㎡)
カバー工法は「稼働を止めず、断熱・遮熱効果を高めたい」オーナーに最適ですが、構造耐力の確認が必須です。
葺き替え
葺き替えは既存の屋根を完全に撤去し、新しい屋根材へと全面的に交換する方法です。倉庫屋根修理の中では最も本格的で、長期的な資産保全を目指す場合に選ばれます。
- □施工手順
- 古い屋根材・下地材を撤去
- 野地板や防水シートなど下地を新設
- 新しい屋根材を全面的に取り付け
- 棟板金や雨仕舞いの施工
- ◇メリット
- 耐用年数が最も長い(30年以上の耐久も可能)
- 下地から全面点検・補修できる
- 台風や豪雨に対して最も強固な屋根を実現
- ◆デメリット・注意点
- 費用が高い(24,000〜30,000円/㎡)
- 工期が長い(3〜4週間)
- 操業を止めなければならない場合が多い
葺き替えは「長期的な投資」として効果的ですが、費用負担と操業停止リスクを理解して計画する必要があります。
工法別の特徴と費用感
倉庫屋根の工法選びは、費用だけでなく耐久性・施工期間・操業への影響を総合的に判断することが大切です。屋根材の種類(波板スレート・折板)や建物の状態によっても最適な方法は異なります。以下の表では「屋根塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3種類を比較し、それぞれの特徴をまとめました。
工法 | 費用目安 | 耐久性 | 工期 | 操業への影響 | 適したケース | 注意点 |
---|---|---|---|---|---|---|
屋根塗装 | 波板スレート:5,000〜8,000円/㎡ 折板屋根:4,000〜7,000円/㎡ |
5〜15年(塗料による) | 1〜2週間 | 基本的に操業可能(塗料臭・養生に配慮) | ・劣化が軽度な場合 ・コストを抑えたい場合 ・暑さ対策を重視 |
・定期的な再塗装が必要 ・下地劣化が進んでいると効果限定的 |
カバー工法 | 波板スレート:8,000〜10,000円/㎡ 折板屋根:5,000〜8,000円/㎡ |
20〜30年 | 2〜3週間 | 稼働を止めず施工可能 | ・アスベスト撤去不要にしたい場合 ・操業停止を避けたい場合 ・断熱・遮熱効果を求める場合 |
・屋根重量増加で耐震性に影響 ・下地腐食がある場合は施工不可 |
葺き替え | 波板スレート:24,000〜30,000円/㎡ 折板屋根:13,000〜18,000円/㎡ |
30〜40年(最長) | 3〜4週間 | 操業停止が必要な場合あり | ・下地が腐食している場合 ・長期的な資産保全を重視 ・災害リスクを減らしたい場合 |
・初期費用が高額 ・廃材処理費用が発生する場合あり ・工期が長く業務影響も大 |
ポイントまとめ
- 短期コストを抑えたい→屋根塗装
- 操業を止めずに性能向上したい→カバー工法
- 長期的な安心・資産価値維持を重視→葺き替え
業者選定のポイント
倉庫屋根の修理は、住宅とは異なり規模が大きく、工事の安全性や操業への影響も直結するため、業者選びが工事の成否を左右します。施工品質だけでなく、資格・安全管理・保証体制・説明の丁寧さを総合的に確認することが重要です。以下では、具体的な選定ポイントを詳しく解説します。
①資格と実績を確認
- 建設業許可:屋根工事を請け負うには建設業法に基づく「建設業許可」が必要です。これを持たない業者は、一定金額以上の工事を合法的に施工できません。
- 労災保険加入:労災保険未加入の業者で事故が発生すると、倉庫オーナーにまで責任が及ぶリスクがあります。必ず加入証明を提示してもらいましょう。
- 施工実績:倉庫や工場など「大型施設の工事実績」があるかを確認することが大切です。住宅専門の業者では、倉庫特有の高所作業や広範囲施工に不慣れな場合があります。
チェック例:「過去に波板スレートや折板屋根の施工実績はありますか?施工事例の写真を見せてもらえますか?」
②複数社で相見積もり
- 最低3社から見積もりを取り、価格だけでなく「工法の提案内容」「保証年数」「使用する材料」を比較しましょう。
- 安すぎる見積もりは、下地補修を省略したり、塗料を薄く塗るなど手抜き工事のリスクが高まります。
- 適正価格の業者は「なぜその金額になるのか」を明確に説明できます。
チェック例:「同じ屋根塗装でも、下塗りを入れるかどうかで数年後の耐久性が違う」と具体的に説明してくれる業者は信頼度が高いです。
③現場説明と報告書の充実
- 現地調査を行った際に、ドローン撮影や写真付き診断書を提出してくれるかどうかを確認しましょう。
- 信頼できる業者は、劣化状況や補修方法を「専門用語を避け、図や写真でわかりやすく説明」してくれます。
- 工事後には「施工前・施工中・施工後の写真付き報告書」を提出してもらうのが理想です。
要注意サイン:調査をせずに「だいたいこのくらいです」と即答する業者は避けた方が安心です。
④アフターサービスの有無
- 保証内容を必ず確認しましょう。一般的には塗装で5〜10年、カバー工法で10〜15年、葺き替えで20年以上の保証が目安です。
- 無料点検サービスの有無や、保証期間内に不具合が出た際の対応スピードも大切です。
- 「口頭での保証」ではなく、必ず書面で保証書を受け取ることが安心につながります。
良い業者の特徴:保証内容を契約書に明記し、「〇年以内で不具合が出た場合は無償で補修します」とはっきり約束してくれる。
FAQ|よくあるご質問
屋根修理に関するよくある質問と回答をまとめました。初めて工事を依頼する方でも判断しやすいよう、工法選びや工事期間、近隣対応について解説します。
Q1.カバー工法と葺き替えはどちらを選ぶべきですか?
A1.屋根の下地が健全であればカバー工法がコストパフォーマンスに優れます。下地が腐食している場合や長期的な耐用性を重視するなら葺き替えが適しています。
Q2.屋根修理中の操業は可能ですか?
A2.屋根塗装やカバー工法は稼働中でも施工可能ですが、葺き替えは操業停止が必要な場合があります。
Q3.修理前に近隣への挨拶は必要ですか?
A3.騒音や塗料臭によるトラブル防止のため、必ず近隣挨拶を行いましょう。
安心して倉庫屋根修理を任せるなら株式会社近藤へ|工法選びから業者選定まで徹底サポート
倉庫屋根の修理は、単に劣化部分を直すだけではなく、将来的な災害リスクを軽減し資産価値を守るための重要な投資です。屋根塗装・カバー工法・葺き替えのいずれを選ぶかによって、費用・工期・耐久性が大きく異なるため、適切な判断を行うことが欠かせません。その際に信頼できる業者選びが成功のカギを握ります。
プロタイムズ名古屋南店/株式会社近藤では、豊富な施工実績と確かな技術で、倉庫オーナー様のニーズに合わせた最適なプランをご提案しています。また、事前調査から工事後のアフターサービスまで一貫して対応し、安心の保証体制も整えています。
もし屋根修理を検討されている方は、まずは株式会社近藤までお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームからのお問い合わせ、メールやお電話でのご相談、さらにはショールームへのご来店もお待ちしております。
実際に事例をご覧いただきながら、最適な工法を一緒に検討していただけます。
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